<論説>エルサレム王国における騎士修道会の発展 : 会議・集会の分析を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Development of Military Orders in the Latin Kingdom of Jerusalem : Analysis of the curia generalis
  • エルサレム王国における騎士修道会の発展--会議・集会の分析を中心に
  • エルサレム オウコク ニ オケル キシ シュウドウカイ ノ ハッテン カイギ シュウカイ ノ ブンセキ オ チュウシン ニ

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説明

西欧封建制との比較史的観点から為されたJ・L・ラモントの考察以降、エルサレム王国史研究は国王・貴族関係の検討を中心に行われた。しかし、慢性的臨戦態勢、恒常的人力不足や一三世紀の国王不在というラテン・シリア特有の状況を鑑みると、依然として国王、貴族関係のみに固執した従来のエルサレム王国史研究では、王国像の正確な把握は不可能であると考えられる。本稿では、広大なヨーロッパ所領を背景にラテン・シリアで最も安定した人力を保持していたテンプル・聖ヨハネ両騎士修道会を考察対象とする。文書史料、年代記史料を再度検討することによって、所領拡大・特権獲得・調停者の役割を背景に、王国末期には、騎士修道会が。curia generalis を政治権力の基盤として、実質的にはエルサレム王国を維持する団体であった、という新たな王国像が導き出されるであろう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 81 (4), 547-582, 1998-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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