<論説>共和三年における旬日祭典の再編

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  • 山中 聡
    京都大学大学院文学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>La reorganisation de la fete decadaire en l'an III
  • 共和3年における旬日祭典の再編
  • キョウワ 3ネン ニ オケル ジュンジツ サイテン ノ サイヘン

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説明

フランス革命期には、旧体制期の価値観や生活規範を刷新する試みがなされた。このような現象は一般に「習俗の革命」と表現されるが、特に共和二年にはこれを考える上で重要な要素が集中した。本稿では、それらの要素のうち、共和暦による「時間の革命」から派生して実施された旬日祭典に注目する。先行研究ではさほど重要視されていないが、「壮大なる実験」とも言うべき共和二年を経て、共和三年に新たに再編されたこの祭典は、新しい習俗の与え手たる「革命家」と、彼らの政策を受容あるいは拒否した「民衆」の相互関係の一端を反映していると思われる。本稿の考察によって、共和二年では不振に終わった旬日祭典が、共和三年における再編において、前年度の失敗を踏まえた上で「民衆」、中でもカトリック教徒との融和をはかるものとして再構築されていく過程が、また、この再編作業が、ロベスピエール亡き後の革命が創り出した政治文化と密接な関わりを持っていたことが明らかとなる。

収録刊行物

  • 史林

    史林 87 (1), 36-69, 2004-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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