<論説>フランス軍事占領下のラインラントにおける世論 (一七九四―九七年)

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タイトル別名
  • <Articles>Die offentliche Meinung im Rheinland unter der franzosischen Besatzung (1794-97)
  • フランス軍事占領下のラインラントにおける世論(一七九四-九七年)
  • フランス グンジ センリョウカ ノ ラインラント ニ オケル ヨロン 1794 97ネン

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説明

本稿は革命フランスによる第二次ラインラント占領を以下の観点から考察したものである。これまでの研究は、九七年のシスレナン運動と住民世論の動員との関連を指摘しているものの、軍事占領下における世論や人民の意思の問題を重要視せず、深く追求していない。従って、本論の企図は第一にこの点の再考にあるが、世論や公共圏に関する先行研究との対照も試みている。まず、第一章では占領初期のフランス行政と住民世論の関係を検討し、行政が世論に一定の拘束を受けていたこと、人民の意思がライン併合をめぐる議論の重要な論拠となったことを示した。次いで、第二章ではシスレナン運動におけるライン共和派の活動を分析し、人民の意思の理念的理解と世論動員の実践の食い違いを浮き彫りにした。最後に、第三章では共和派の活動に反発した守旧派市民の動向に焦点を当て、彼らの人民の意思理解を共和派のそれと対比しつつ明らかにした。

収録刊行物

  • 史林

    史林 89 (6), 817-850, 2006-11-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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