<論説>一九二〇年代初頭の広東郷村社会 : 宗族からみる陳炯明の地方自治政策

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タイトル別名
  • <Articles>Rural Society in Guangdong during the Early 1920s : Chen Jiongming's Local Autonomy Policy in Terms of Lineage Groups
  • 一九二〇年代初頭の広東郷村社会 : 宗族からみる陳炯明の地方自治政策
  • イチキュウニ〇ネンダイ ショトウ ノ コウトウゴウムラ シャカイ : ソウゾク カラ ミル チンケイアキラ ノ チホウ ジチ セイサク

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抄録

本稿は、近代中国における郷村社会の特質を解明するため、一九二〇年代初頭の広東で陳炯明によって実施された地方自治政策を取り上げ、それに対する郷村社会の反応を考察するものである。広東では明清期を通じて、宗族を基盤とした郷村構造が形成され、清末期の地方自治政策においても、宗族を単位とする自治団体の設立が見られた。こうした宗族の自治への関心は、陳炯明による地方自治政策の一つである県議会議員選挙でも看取できた。一方、郷村社会では、新文化運動の影響を受けた若年者が、郷村自治を実施するために伝統的な宗族形態の改革を主張し、伝統的宗族の中で社会的地位を維持しようとする老成者と対立した。この世代間の自治をめぐる意見の相違に対して、陳炯明は宗族の共有財産である嘗産と私塾の改良政策を通じて、宗族という枠組みを維持しつつ、老成者の郷村あるいは宗族内における影響力を抑え、若年者の自治論を支持する立場に立った。

収録刊行物

  • 史林

    史林 96 (4), 566-597, 2013-07-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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