<論説>陳渉から劉邦へ : 秦末楚漢の国際秩序

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Multi-State System and Legitimacy in the Period from Chen She to Liu Bang
  • 陳渉から劉邦へ : 秦末楚漢の国際秩序
  • チンショウ カラ リュウホウ エ : シンマツ ソカン ノ コクサイ チツジョ

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説明

秦始皇帝の統一支配を終了させたのは陳渉の蜂起に始まる争乱だが、この秦末より項羽と劉邦の対決として知られる楚漢戦争までの時期は、戦国後期の状勢への回帰と看做されるのが通常である。しかし、かかる戦国後期という枠組みへの回帰をもたらしたメカニズムについては、これまで充分に考察されることがなかった。本稿はこの観点から陳渉挙兵後の状勢を国際関係として把握し、個々の事件の展開から、一定の傾向とルールを有した当時の国際秩序の具体相を明らかにした。ついで、本稿で復元された叛乱当初の国際秩序から見て特異に映る項羽の十八王分封体制も、分封以前の国際秩序に制約された結果がもたらしたものであること、また楚漢戦争の意義は、戦国中期以前の状況を指向した項羽の体制より、分封以前の戦国後期的な国際状勢へのゆりもどしとして考えることができよう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 97 (2), 273-307, 2014-03-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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