<論説>通信使関係倭情咨文と明清中国

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タイトル別名
  • <Articles>Joseon-Japan Relations as Informed by Joseon Missions to Ming and Qing China
  • 通信使関係倭情咨文と明清中国
  • ツウシンシ カンケイ ワ ジョウシブン ト メイセイ チュウゴク
  • Joseon-Japan Relations as Informed by Joseon Missions to Ming and Qing China

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抄録

倭情咨文とは、朝鮮王朝が収集した日本情勢を清朝に報告した文書である。その中には通信使の派遣・準備・帰国等のものが含まれている。一六三六年次~一八一一年次の通信使関連倭情咨文によれば、一六五五年次以後の通信使は、形式的には朝鮮王朝が宗主国清朝に対して派遣の可否などの意向を尋ねつつも、実質的には朝鮮王朝側が判断を下している事実が明らかとなる。とりわけ一六五五年次のものは、その後一八一一年まで繰り返される倭情咨文の基本形式を確立した点で画期となる。 一方、一六四三年次の通信使は、ホンタイジの実質的な意向を受けてから派遣が決定された。ホンタイジ在位中の三回の倭情咨文を分析することで、彼が在位中には一貫して日本に対する深い関心を抱いていたことがわかる。ホンタイジには日本情報を探偵するルートとして通信使を活用する目的があり、一六四三年次通信使派遣に特殊な関心を払い、その派遣に直接に干渉を加えていた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 99 (6), 803-836, 2016-11-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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