<論説>一九世紀中葉から二〇世紀初頭におけるイギリス協同組合運動の展開と言語

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Language and the Development of the British Co-operative Movement, 1850-1914
  • 一九世紀中葉から二〇世紀初頭におけるイギリス協同組合運動の展開と言語
  • イチキュウセイキ チュウヨウ カラ ニ〇セイキ ショトウ ニ オケル イギリス キョウドウ クミアイ ウンドウ ノ テンカイ ト ゲンゴ

この論文をさがす

抄録

本稿は、近代イギリスにおける協同組合運動に関して、従来の社会経済史的叙述からは距離を置き、言語の観点からの新たな研究をさらに発展させ、運動が拡大した背景を明らかにした。運動が急速に拡大した一九世紀後半から第一次世界大戦前までの時期を対象に、「自助」「民主主義」「資本主義」「社会主義」という四つの言語が、運動においてどのように広まったか、また運動に関わった様々な立場の人々によってどのように用いられたのかを分析した。その結果、これらの言語は、多様な意味を付与され、各人の目的のために様々な使い方をされ彼らのアイデンティティ構築に寄与したが、同時に、共通の言語として運動のまとまりを強固にする役割を果たしたことが明らかになった。協同組合運動は、時代の流行の言語をうまく取り込んだことで、多様な人々を惹きつけ結びつけることができたため、ヴィクトリア時代を代表する一大潮流となりえたのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 100 (5), 545-581, 2017-09-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ