<論説>ヘレニズム期初頭における後継者-ポリス間の権力構造 : アンティゴノス一世とデメトリオス一世の臣下に対する顕彰を中心に

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タイトル別名
  • <Articles>The Power Structure of Diadochs and Poleis in the Early Hellenistic Period: The Case of Vassals of Antigonos I Monophtalmos and Demetrios I Poliorcetes.
  • ヘレニズム期初頭における後継者-ポリス間の権力構造 : アンティゴノス一世とデメトリオス一世の臣下に対する顕彰を中心に
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抄録

本稿は、後継者戦争期の東地中海世界に焦点を当て、後継者たちの臣下を顕彰した決議の分析を通して、当該時期における後継者たちと彼らの支配下に入ったポリスの関係を問う。先行研究では、当該時期に関して十分な注意を払ってこなかったが、本稿は、特にアンティゴノス一世とデメトリオス一世の臣下に注目し、彼らを顕彰した決議のテクストを分析した。その結果、ポリスは顕彰決議を通して自身の地位の保全や利益の確保を目指したこと、他方で、ポリスからの顕彰は、アンティゴノスらにとって臣下の忠誠を維持するのに効果があったと考えられることを指摘した。また、本稿では、顕彰の背景に、他の後継者より緩やかで、ヘレニズム期の基本路線を形作った支配体制があったとしたが、その緩やかさはあくまで限定的なものであり、ポリスにとって顕彰という行為は、アンティゴノスと臣下の互酬的関係に巻き込まれていることを意味すると主張した。

収録刊行物

  • 史林

    史林 101 (5), 731-766, 2018-09-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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