<論説>銀生産の動向、銀山町の構成 : 院内銀山の研究 (IV)

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タイトル別名
  • <Articles>The Innai (院内) Silver Mines IV : The Output of Silver in the Innai Silver Mines : The Structure of the Silver Mine Town

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抄録

院内銀山の研究「銀山領有の機構」(本誌三四の四)「生産の形態と組織」(同三六の一)「銀生産の動向」(同三七の四)「銀山町の構成」の四章の内、第三章の第三節及び第四章に当る。幕府の鉱山公有主義により院内銀山の運上諸役は幕府へ献納されるが、それはそのまま返附される。その高は開坑後三〇年間に漸減し、その後さらに激減し、十八世紀初期からは毎年一四〇〇匁の定納制となる。この頃から経営法も変化し、直山でも荷分法が採用せられ、請山となることも多かつた。十九世紀に入つてかなり産額増大し、年産五〇〇〇キロを超えたこともある。銀山町は一六二〇年人口一万を数えたが、開坑後の盛時にはその二倍にも達したであろう。鉱山業の専業的階層が已に形成せられ、全国各地より集中した。また三都をはじめ伊勢・近江・北陸諸国等より商人・職人が集まり、関ヶ原役以来の浪人の集中も多かつた。浪人中より山師や地役人となるものが少くないのは注目される。銀山の興隆により、近傍農村は大なる労働力の供給源となつた。あらゆる地方より、あらゆる職業のものが集まり、急激に成立し、また浮動的な生産条件により支えられた銀山町には、一般の町村と異った特殊の性格が見られるのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 38 (5), 367-391, 1955-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649778665472
  • NII論文ID
    120006818003
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_38_367
  • HANDLE
    2433/249203
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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