<論説>インド史の時代区分について (上)

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  • <Articles>Uber die Einteilung des Zeitalters der indischen Geschichte
  • インド史の時代区分について-上-
  • インドシ ノ ジダイ クブン ニ ツイテ ジョウ

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抄録

インド史の研究に際し、インド古代文献の史料的価値の評価の如何によって、大きな過誤を犯す危険が多分にある。その原因として、インド古代文献の多くが一般社会とほとんど没交渉な世界の産物であること、また文献の成立地および成立年代の不明ということが指摘される。さらに、インドの歴史意識に関して、歴史記述が文芸の一部門であり、従ってリアリズムから遊離してロマンティシズムの傾向に奔り、批判的精神と歴史的真実に対する意識の欠除が指摘される。時代区分とくに古代の末をどこに置くかを論ずるにあたって、まず奴隷の問題を取り上げてみると、イギリス人の十九世紀初めの調査報告と、古代の法典の記述とは本質的に異っていない。その社会的位置を見ると、奴隷 (ダーサ) はクラ (家族) の一員であるが、この場合ダーシー=プトラ (奴隷の子) とダーサ=プトラ (奴隷の子) とは区別して考えられねばならぬ。

収録刊行物

  • 史林

    史林 48 (1), 40-60, 1965-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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