<論説>「琉球処分」と民族統一の問題 : 琉球処分における明治政府の政策基調の分析を中心に

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タイトル別名
  • <Articles>The Ryukyu Settlement and the Unification Problem : An Analysis of the Government Policy during the Meiji restoration
  • 「琉球処分」と民族統一の問題--琉球処分における明治政府の政策基調の分析を中心に
  • リュウキュウ ショブン ト ミンゾク トウイツ ノ モンダイ リュウキュウ ショブン ニ オケル メイジ セイフ ノ セイサク キチョウ ノ ブンセキ オ チュウシン ニ

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抄録

近代以前の沖縄は、日本本土からの地理的な遠隔と、歴史的な独自性のゆえに、ある意味では「日本歴史」の外に置き忘れられてきた。近代に入って、明治政府は「沖縄県」を設定して正式に日本の領土に統合した。この沖縄県の設置(一八七九=明治十二年)の過程は、決してスムーズにおこなわれたのではなく、ことに当時の沖縄の士族層=支配階級の反対と抵抗をひきおこし、それを強圧的におさえる形で断行された。「処分」といわれるゆえんである。このように、「琉球処分」は、一面で明治政府の権力恣意の貫徹として断行されたが、他面で三十餘万の沖縄の民衆にとって、日本本土の大衆と、より強圏な結合をかちとるための条件と展望を与えた。「琉球処分」の唯一最大の意義は後者の点にある。本稿はかかる視角から「琉球処分」の政治過程を分析する。民族統一の問題は、現在沖縄の祖国復帰運動の課題でもあり、本稿もそれへのささやかな展望が含まれている。

収録刊行物

  • 史林

    史林 50 (1), 37-68, 1967-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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