種苗生産池中の窒素化合物の挙動からみたガザミ生産成績の違いについて

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タイトル別名
  • Variation of Nitrogenous Compounds in the Mass-Production Ponds of Swimming Crab Portunus trituberculatus Larvae with Particular Reference to the Survival Rate
  • シュビョウ セイサンチチュウ ノ チッソ カゴウブツ ノ キョドウ カラ ミタ

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抄録

1991年のガザミ種苗生産期に、広島県栽培漁業協会において3種の異なる飼育水、すなわち緑藻主体のグリーンウオーター(G)、珪藻主体のブラウンウオーター(B)およびその混合水(B+G)、を用いた3つの池における形態別窒素化合物(アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、粒状態有機窒素)の変動を調査し、この結果と種苗生産期間中のガザミ幼生の生残率との関係について検討した。植物プランクトン濃度と各態窒素化合物濃度、特に害性があるアンモニア態窒素濃度はG池で最も高く(1.95~79.67μg atN・ℓ-1)、B池では最も低かった(0.65~16.36μg atN・ℓ-1)。1989-1991年の3年間の生産成績記録では生残率がG池で高かったことはなく、逆にB池では生残率が極端に低かったことはなかった。G池では緑藻ナンノクロロプシスの増殖が著しく、それらの沈降フラックスも著しく大きかった。従って、大量の沈積物が分解して池水中のアンモニアの供給源となるため、G池ではガザミ種苗の生残率すなわち生産成績が一般に低下しているものと考えられた。

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