広島県と山口県の三倍体ギンブナにおける雌性発生クローンの識別と分布

書誌事項

タイトル別名
  • Identification and Distribution of Gynogenetic Triploid Clones in Ginbuna Carassius langsdorfii collected from Hiroshima and Yamaguchi Prefectures
  • ヒロシマケン ト ヤマグチケン ノ サンバイタイ ギンブナ ニ オケル シセイ ハッセイ クローン ノ シキベツ ト ブンプ

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説明

三倍体ギンブナ Carassius langsdorfii は雌性発生によりクローンとして繁殖することが知られている。本研究は広島県と山口県に生息する三倍体ギンブナのクローン組成と分布を明らかにするため行った。広島県太田川、黒瀬川、沼田川、白竜湖、芦田川ならびに山口県錦川より合計312個体のフナ類を得た。DNA量フローサイトメトリーあるいは赤血球径測定から倍数性判定をしたところ、全水系で36~100%の率で全雌三倍体ギンブナが出現した。これらについて、DNAフィンガープリント法によりクローン識別を行ったところ、複数個体間で遺伝的同一性が認められ、全体で16クローン系統が識別できた。個体特異的DNA型をもつギンブナを1クローンとすると、さらに56系統が存在する。クローン16系統中、6系統は2~3水系の問で共通して出現したが、残り10系統は各水系に固有であった。優占的に出現する系統は水系毎に異なっていた。また、同一地点でも、年級毎に優占クローンが異なった。

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