インド2006年森林権法の成立と実施における政治過程 <研究ノート>

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タイトル別名
  • The Political Processes of the Formulation and Implementation of India’s Forest Rights Act of 2006 <Research Note>
  • インド2006年森林権法の成立と実施における政治過程
  • インド 2006ネン シンリンケンホウ ノ セイリツ ト ジッシ ニ オケル セイジ カテイ

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抄録

インドでは,2006年に「森林権法(Forest Rights Act)」が制定された。本法は,森林に居住する指定部族およびその他の森林居住者の林地における森林権および占有を承認し,付与するものである。本稿では,森林権法に関する体系的な情報を提供すること,そして,本法の成立と実施における政治過程を概観し,インドの森林セクターや指定部族の権利問題をめぐる現代的動向を把握することを目的とした。2002年に,国有林地からの「不法占拠者」の立ち退きが林野行政により実施され,これに対し,複数の指定部族団体によるネットワーク型の草の根の抗議活動が起り,指定部族らの森林権の正式な承認のための立法へと繋がった。しかし,森林権の承認は,州により差があるものの,必ずしも順調に進んでいない。既往文献では,実施レベルでの,林野行政の「抵抗」という阻害要因が指摘されている。森林権法の事例は,ローカルレベルでの資源や土地権を求める運動が,国や地域の政治過程と結合し,既存の制度の抜本的な変化に繋がり得ること,また,同時に,法律の制定のみで,森林セクターの民主化や指定部族らの権利が保証されるものではなく,実施が実態を伴うことが重要であることを示している。

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