近代文学作家の体系化と国語教科書の役割 : あかね書房・偕成社の叢書を中心に

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タイトル別名
  • The Canonization of Modern Writers in Japan and the School Textbook in Japanese
  • キンダイ ブンガク サッカ ノ タイケイカ ト コクゴ キョウカショ ノ ヤクワリ : アカネ ショボウ ・ カイセイシャ ノ ソウショ オ チュウシン ニ

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抄録

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[要約] 一九六三年に刊行を開始した偕成社「少年少女現代日本文学全集」は、先行するあかね書房「少年少女日本文学選集」を受け継ぎ、さらに「一人一冊」スタイルの「作家」叢書の体裁を強めた叢書である。本叢書全四〇巻の構成を中心に、その後の再編集版二四巻、またあかね書房版三〇巻をも視野に入れつつ、その構成や特徴を検討し、この時期の児童文学界における日本近代文学の体系化について、概括的な把握を試みた。その結果、国語教科書掲載を念頭に置いた作家の選択がなされる一方、多様なジャンルへの配慮も見られること、編者側の意識には、読書を通じて収録した作家その人の歩んだ道のりや努力、そして作家の人間性を学ばせようという意図が存することなどが明らかになった。今後、同じ出版社から同時期に刊行された作品主体の叢書と比較することなどを通して、一九六〇年代を中心とした「読書」の状況における文学と国語教育の関連を念頭に置きつつ、作家中心主義の近代文学の体系化、規範化の状況把握を進めることとしたい。

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