途上国における災害援助物資の村内分配--血族社会の相互扶助と階層--

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タイトル別名
  • Distributing Disaster Aid within the Village--Kinship, Mutual Help, and Hierarchy--
  • トジョウコク ニ オケル サイガイ エンジョ ブッシ ノ ソンナイ ブンパイ ケツゾク シャカイ ノ ソウゴ フジョ ト カイソウ

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抄録

開発途上国での自然災害援助において,援助物資の村の中での分配は,村による自己分配,したがって村の制度と統治に依存する.本稿は,村内分配メカニズムとして,相互扶助と階層を検証する.フィジー農村部で独自に収集した家計調査データをもとに,救援・早期復旧フェーズ(食糧援助)と復旧・復興フェーズ(家屋建設資材援助)を比較する.援助が私的リスクシェアリングの一部として分配される場合,援助物資がいかに被災者に届いているかというターゲティング精度それ自体にはあまり意味がなく,私的移転(労働および現金・現物)と合わせた災害対処力こそが重要となる.血族関係に基づく相互扶助と社会階層が,相互に関連して援助物資の分配が行われる結果,有力者が優遇されることになる.

収録刊行物

  • 経済研究

    経済研究 62 (2), 141-152, 2011-04-25

    岩波書店

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