地域におけるバイオ燃料生産の経済および環境の両立性評価―環境効率指標による分析―

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluating the Economic-Environment Co-Benefit of Bio-Fuel Production; An Application of Eco-Efficiency
  • チイキ ニ オケル バイオ ネンリョウ セイサン ノ ケイザイ オヨビ カンキョウ ノ リョウリツセイ ヒョウカ カンキョウ コウリツ シヒョウ ニ ヨル ブンセキ

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抄録

地球温暖化などの地球環境問題は最近特に喫緊の課題となっており,経済政策も環境への配慮をなくしては国民の理解が得られにくくなりつつある。バイオ燃料の導入は地球温暖化防止に貢献するのみならず地域経済に一定の経済効果をもたらすことから,環境と経済の両立に貢献する産業とみなされている。しかし,バイオ燃料の諸効果については,環境面と経済面で全く別個に評価が行われ,両側面を統合して総合的な評価を行った事例は少ない。本稿では北海道十勝地方でバイオエタノールが生産されるケースを想定し,北海道内を影響評価の対象範囲として,産業連関分析を用いて地域経済効果とCO2排出変化量を計測した。そして環境効率指標を用いて環境面への影響と経済面への影響を統合し,バイオ燃料の導入が地域における環境と経済の両立に貢献するものなのかを検証した。 分析の結果,十勝地方でのバイオ燃料生産はガソリンに比べCO2の排出増加を極力抑制しながらより高い地域経済効果を求めることができ,バイオ燃料の導入が地域における環境と経済の両立性の確保に貢献しているという結論を得た。今後バイオ燃料をより環境にやさしい製品とするためには,域内で生産されるCO2排出原単位が低い部門の原材料を多く投入する努力が必要である。

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