「費用価格の諸要素の生産価格化」についての マルクスの叙述 ─ 『資本論』該当箇所を解読する ─

書誌事項

タイトル別名
  • 「 ヒヨウ カカク ノ ショ ヨウソ ノ セイサン カカクカ 」 ニ ツイテ ノ マルクス ノ ジョジュツ : 『 シホンロン 』 ガイトウ カショ オ カイドク スル
  • Marx’s Description of ‘The Elements of Cost Price Include the Production Price’: Deciphering the Part of Capital

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抄録

要旨  本稿は「費用価格の諸要素の生産価格化」についてのマルクスの叙述(『資本論』第3 部第2 篇第9 章の最後の部分)の解読である。商品の価値価格の生産価格への転化を補 完し最終的に完結させる運動がこの叙述によって解明されている。しかし、この叙述中に は記号の誤記もあり、真意が掴みにくい点が多く、マルクスによるこの解明を知るにはこ の叙述の解読が必要である。私の解読によれば、商品の費用価格の諸要素が生産価格に なった場合、ある商品の費用価格に他の商品の利潤が入り込むが、その社会の総利潤(全 利潤)の計算において二重計算はおこらず、個々の商品の利潤の総合計が総利潤であるこ とは変わらない。この点を踏まえれば、総剰余価値=総利潤、総価値=総生産価格という 基本命題は近似的な仕方で成立する。この命題が成立するか否かがマルクスの価値論の死 命を制するなどとして議論されてもきたが、マルクス自身が妥当な解答を出している。

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