中間言語の化石化と第二言語習得のメカニズム

書誌事項

タイトル別名
  • Fossilization of Interlanguage and Mechanism of SLA
  • チュウカン ゲンゴ ノ カセキカ ト ダイニゴンゴ シュウトク ノ メカニズム

この論文をさがす

抄録

本研究は第二言語習得過程に見られる中間言語の化石化現象を分析することを通じて、第二言語習得のメカニズムを明らかにしようとしたものである。 研究は韓国語母語話者の日本語学習者を被験者として、共起する格助詞に化石化が起こりやすい、可能動詞、「上手・下手」、「好き・嫌い」、動詞のタイ形に共起する格助詞を縦断的に調査して行なった。 その結果、可能動詞や動詞タイ形では、ヲ格共起が長引き、化石化が起きやすいのに対して、「上手・下手」、「好き・嫌い」 では化石化が起こりにくく、 比較的容易にヲ格共起はガ格共起へ移行した。 化石化を引き起こす原因としては、認知的な要因が考えられる。認知的な要因とは第一言語と第二言語の認知的なスキーマの違いであるが、とりわけ他動的スキーマと自動的スキーマの違いは第二言語習得にあたってスキーマの転換を難しくし、習得を遅らせている。スキーマの転換には第一言語と第二言語との間に類似性を見いだすことが役に立つものと推察される。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ