書誌事項
- タイトル別名
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- A Study of the Japanese Conjunction "chinami ni"
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説明
本稿は、「ちなみに」の意味・用法を明らかにすることを目的とするものである。 「ちなみに」に関する従来の記述を見ると、「ちなみに」は前件に対し、関連のあることを参考までに付け加えるものであると述べられている。しかし、 後件についてはどのような制限があるかが説明されていないため、「ちなみに」を用いてどのような後件を付け加えることができるかは分からない。 また、 従来の記述で説明できない「ちなみに」の用法もある。本稿は、そこで、この二つの問題に着目し、「ちなみに」には「前件で言及した物や人物への聞き手の理解を促す情報への言及」、「先行した発話の伝達目的を達成するための情報への言及」及び「会話参与者の情報交換や意見交換を促す事柄への言及」との三つの用法があることを明らかにする。 また、各用法を貫く基本的意味に関して、「ちなみに」は、前件で言い残した内容の一部を付け加えるために用いられるのではなく、聞き手との間での 〈認知環境〉 の異なりを整えることにより、話の流れに聞き手をひきこむために用いられるものであることを述べる。 そして最後に、「ちなみに」を使えない文を取り上げ、本稿で提出した「ちなみに」の意味・用法の記述がこれらの文も説明できることを示す。
収録刊行物
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- 世界の日本語教育. 日本語教育論集
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世界の日本語教育. 日本語教育論集 12 209-222, 2002-06-28
国際交流基金日本語国際センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649812653952
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- NII論文ID
- 110000940964
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- NII書誌ID
- AN10390791
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- ISSN
- 09172920
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles