中間的複合動詞「きる」の意味用法の記述 : 本動詞「切る」と前項動詞「切る」,後項動詞「ー切る」と関連づけて

書誌事項

タイトル別名
  • Description of the Meaning of the Intermediate Compound Verb kiru in Its Various Uses : The Relationship between kiru as a Proper Verb, a Verbal Prefix, and an Auxiliary Verb
  • チュウカンテキ フクゴウ ドウシ キル ノ イミ ヨウホウ ノ キジュツ ホン

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説明

本稿は、本動詞「切る」、前項動詞「切る」、後項動詞「-切る」の意味用法と本動詞と複合動詞の関連性を調べたものである。複合動詞の後項動詞の意味分析の手順として、後項動詞の「-切る」の形態を除去し、除去したものが非文になるか否かということを基準にした。非文になったときには語彙的に構成された語彙的複合動詞に近く、非文にならなかったときには統語的に構成された統語的複合動詞に近いとみなした。このことから複合動詞「-切る」には統語的複合動詞と語彙的複合動詞がともに含まれているので中間的複合動詞であることが分かった。また、本動詞「切る」と前項動詞「切る」は「物の切断」「発言」「対処」「中止」というところで関連性をみせている。さらに、本動詞「切る」と複合動詞の後項動詞「-切る」は「物の切断」「完遂」「極限」「自信満々」というところで結びつけられる。これらのことから前項動詞「切る」と後項動詞「-切る」は、本動詞の意味と全く異なる抽象的意味から派生したのではなく、程度の差はあるものの本動詞「切る」の意味と密接な関係があることが分かった。

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