牧田総合病院歯科口腔外科における顎顔面骨折の疫学的調査

書誌事項

タイトル別名
  • EPIDEMIOLOGICAL STUDY OF MAXILLOFACIAL FRACTURES IN THE DEPARTMENT OF DENTISTRY AND ORAL SURGERY, MAKITA GENERAL HOSPITAL

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説明

顎顔面骨折は機能的,審美的障害を伴うため,治療にあたっては咬合の回復など専門的な診 断,治療が必要であり,地域医療を担う病院口腔外科の重要な治療対象疾患である.今回,2013年 1月から2019年12月までに牧田総合病院歯科口腔外科で加療を行った顎顔面骨折221例(男性146例,女性75例)について臨床的検討を行った.  男女比は 2 : 1 で男性に多く,年齢は 7 ~93歳(平均54歳)であった.受診経路は当院救急診療科からが158例と最も多く,次いで当院脳神経外科50例,他院からが 7 例,直接来院 6 例であった.受傷原因は転倒転落が135例と最も多く,以下交通外傷59例,暴力15例,スポーツ12例であった.骨折部位は単独骨折では,頬骨骨折が108例と最も多く,下顎骨骨折が97例,上顎骨骨折が 4 例,鼻骨骨折が 3 例,眼窩底骨折が 2 例であった.多発骨折では,頬骨骨折と上顎骨骨折が 6 例,頬骨骨折と下顎骨骨折が 1 例であった.顎顔面骨折221例の治療法として79例に対しては,観血的処置を行い,そのほかの142例は非観血的処置であった.  顎顔面骨折では転倒転落による高齢の頬骨骨折や下顎骨骨折の症例が多いことが当科の特徴であった.地域や施設の特徴,ニーズにあった迅速な治療が望まれると考えられる.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 72 (1), 1-8, 2021-01-30

    横浜市立大学医学会

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