「ふつう」であることの安心感(1):集団内における関係性の観点から

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タイトル別名
  • Are Normative Japanese Happy?: The Effect of Being Middle among Various Relationships
  • フツウ デ アル コト ノ アンシンカン 1 シュウダン ナイ ニ オケル カンケイセイ ノ カンテン カラ

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抄録

日本人が周囲との関係性の調和に関心を持ち,「ふつう」であることを重視することは数多く指摘され ている.しかしながら,そうした傾向を実証的に示した研究はほとんどみられない.そこで本研究は, 周囲の他者との比較に基づく遂行水準が「ふつう」認知と感情状態に与える影響を場面想定法の質問紙 調査によって検討した.研究 1 では周囲の他者との関係性を操作し,研究 2 ではある程度の相互作用を 行う他者を想定し,その親しさの程度を操作した.概して,研究 1 ・ 2 ともに自らの遂行水準が「ふつう」 であるときに最も「ふつう」認知および安静状態が高い一方,否定的感情が最も低い傾向がみられた. こうした傾向は,関係性の調和に敏感でいなくてはならない間柄において顕著だった.日本人は周囲の 他者と比較して自らの遂行水準が「ふつう」であることで安心感を得ていることが示された.

収録刊行物

  • 教育研究

    教育研究 (51), 35-42, 2009-03-31

    国際基督教大学

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