重症心身障害のある子どものきょうだいの同胞観に関する研究 : 中高生のきょうだいの作文分析による

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  • Siblings’ Views on Their Brothers and Sisters with Severe Motor and Intellectual Disabilities : Through Content Analysis of Siblings Teens’ Composition

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本研究では,重症心身障害のある子どもの中高生きょうだいが書いた,同胞に関する作文77件を対象資料として分析し,そこに表されたきょうだいの同胞観を明らかにすることを目的とした。分析の結果,同胞に対するきょうだいの感情や考えは,全部で138項目であり,31のカテゴリーに分類された。述べられた時間に応じて,内容に過去,現在,将来の3つの時間ラベルを付して,きょうだいたちの発達に沿って内容の変容を確認したところ,きょうだいの多くが,まず過去について,自らが幼少期に抱いていた同胞に対する多様なマイナス感情や否定的な考えを内省して言語化し,そのような感情や考えを抱かざるを得なかった自分を客観的に振り返っていた。そして,現在持っている同胞観は,その多くが前向きで,同胞の存在意義を積極的に評価するものであった。しかし,すべてのきょうだいが同じように考えているわけではなく,いずれのきょうだいも,過去から,現在,そして将来に続く時間の流れの中で,それぞれが,同胞に対する現状認識と同胞のもつ可能性への期待,精神的な依存と将来の保護者としての責任感という,家族ならではの葛藤を抱きつつ,かけがえのない存在としての同胞観をもって,同胞とともに生きようと決意していることが分かった。また,重症心身障害のあるきょうだいに特徴的な同胞観について,「疎遠感」「命の存続に対する危機感」「障害のある人がもつ役割への着目」「深い同情」の4つがあることが示唆された。

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