中国日用品市場におけるP&G と花王の事業展開に関する比較研究:多国籍企業新興国市場戦略の観点から

書誌事項

タイトル別名
  • Comparative study on the business development of P&G and Kao in Chinese market : from the perspective of emerging markets strategies of MNCs

抄録

本研究は新興国市場戦略に関する先行文献に基づいてリサーチクエスチョンを定め,その上で,米国企業P& Gと日本企業花王を事例として取り上げ,それぞれの中国日用品市場における事業展開のバリューチェーン活動を考察し,比較研究を行った。本研究から得られた結論は以下の通りである。花王は中国市場のハイエンドセグメントに焦点を当てながら,ミドルエンドセグメントにも取り組んでいるが,ローエンドセグメントへの本格的なアプローチは見受けられていない。従って,花王は「本国再現」の度合いが高く,本社からのコントロールも強い傾向が示されている。P&Gは中国市場のハイエンドセグメントのみならず,ミドルエンド,ローエンドセグメントにも数多くのブランドを投入し,現地市場に適応するための研究開発を重視し,全面的に取り組んでいる特徴が見受けられる。従って,P&Gはハイエンドセグメントにおいては花王と同様なマネジメントアプローチを取っている模様であるが,ミドルエンド,ローエンドセグメントにおいては現地適応の度合いが高く,本社からのコントロールが弱い傾向が示されている。

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