徳之島における稲作と伝統芸能の復興を通じた地域教育の取り組み

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タイトル別名
  • The community education through the revival of paddy field and traditional performing arts in Tokunoshima Island
  • トクノシマ ニオケル イナサク ト デントウ ゲイノウ ノ フッコウ オ ツウジタ チイキ キョウイク ノ トリクミ

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抄録

本報告は2010年2月から鹿児島県・徳之島において、筆者が地元関係者とともに地域活性化を目的に稲作の復活に取り組んだ記録である。稲作や伝統芸能などの伝承活動は、自らの自然や文化を知るのみならず、地域住民の関係性を醸成し、それ自体が地域教育となる。今回の活動では、田んぼの草取りから豊作祈願の行事である「むちたぼれ」までの経緯を記述している。たんぼの自然教室では、子どもたちが自然との付き合い方を知らないことから、たんぼに生息する生き物観察をもとに、子どもたちへの自然体験活動として位置付けた。また、たんぼの自然観察は、大人までも自然との触れ合いが減少していることや、その必要性を感じさせる体験活動となった。また、伝統行事「むちたぼれ」は集落内の住民だけで行っていた行事であったが、今回、稲作に参加した方々にも声をかけ、「むちたぼれ」への多くの参加が集落の活性化へとつながり、次の行事への意識向上を促した活動であった。このことから地域文化は、自然との付き合い方を知るだけでなく、地域住民の関係性の構築や地域行事に参加しようとする意識向上に寄与するものであることが期待できる。この活動で得た知見やネットワークは、今後も徳之島での活動に活かし、さらに地域活性化や地域教育の取り組みを行っていきたい。

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