日韓体制下の民衆と「意味としての歴史」 : 梶村秀樹の韓国認識と歴史認識

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タイトル別名
  • People under the Japan-Korea system and its history as meaning : recognition of Korea and its history by Kajimura Hideki
  • ニッカン タイセイカ ノ ミンシュウ ト「イミ トシテノ レキシ」 : カジムラ ヒデキ ノ カンコク ニンシキ ト レキシ ニンシキ
  • 「日韓体制」下の民衆と「意味としての歴史」 : 梶村秀樹の韓国認識と歴史認識

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抄録

戦後日本の代表的な朝鮮史研究者である梶村秀樹は,1970〜80年代の日韓関係を「日韓体制」と名づけたように,同時期の韓国の経済発展を日本との垂直的分業体制を基盤とする従属的近代化と捉えた。梶村は,非人間的な韓国民衆の労働環境の上に維持されている日本社会を批判した。また彼は,朴政権の近代化思想が日本近代の国家主義的近代化思想と通底しており,その特徴はベトナム派兵を推進するなかで克明に現れていると見た。梶村は,咸錫憲が提示した日本をも救いの対象に含める韓国民衆の「弱肉強食の世界を平和を第一の価値とする世界に逆転させ,世界を救う世界史的使命」に注目しながら,「日韓体制」という先進-後進の近代的秩序の克服と先進国という既得権を捨てるような,生き方の根本的な転換を模索した。

収録刊行物

  • 社会科学

    社会科学 42 (4), 49-72, 2013-02-28

    同志社大学人文科学研究所

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