出生率と所得ボラティリティ

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タイトル別名
  • Fertility and income volatility
  • シュッショウリツ ト ショトク ボラティリティ

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説明

本稿は出生率と所得ボラティリティとの関係を理論分析する。Perotti (1996)は、経済成長率が上昇すると出生率が低下することを実証的に示している。本論文は、所得ボラティリティと出生率との相関が逆U型になることを理論的に解明する。分析の結果、出生率を最大化させる所得の不確実性の程度が存在することが示された。これは次の2つの性質から導かれる。一つは、人的資本が生み出す家計の将来所得に関するボラティリティが大きくなるにつれ、ボラティリティが期待生涯所得に与える影響を通じて出生率が増えることである。もう一つは、ある一定の値以上のボラティリティでは所得格差が増すために社会的に不安定となり、出生率が減少することである。

収録刊行物

  • 經濟學論叢

    經濟學論叢 64 (2), 553-570, 2012-09-20

    同志社大學經濟學會

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