現代クエーカーの平和思想とその課題

書誌事項

タイトル別名
  • Modern Quaker pacifism and its problems
  • ゲンダイ クエーカー ノ ヘイワ シソウ ト ソノ カダイ

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説明

本講演では、自由主義神学の影響下にある現代クエーカーの平和思想の特徴を明らかにし、ラインホールド・ニーバーが厳しく批判した平和を巡る神学的な問題点(それは依然としてクエーカーの平和主義者たちが陥っている問題点でもある)について分析する。自由主義クエーカーは、神の働きかけとしての「内なる光」を人間の理性・意識・良心の働きと同一視し、人間の本性を神的なもの、無垢なものと考えることで、神と人間の緊張関係を弱め、人間存在の限界に関する深い洞察を見失ってしまった。結果として、クエーカーの平和主義は、異質性、差異性を前提とする自己-他者関係を単なる計算可能性、操作可能性の領域へと還元してしまい、平和主義の名の下に非暴力を力として利用する(集団)心理学的ストラテジーになってしまっている状況がある。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 75 (1), 1-16, 2013-06-25

    基督教研究会

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