温帯樹種の落葉分解にともなう窒素動態の炭水化物による制御

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  • Carbohydrate control of nitrogen dynamics in decomposing leaf litter of temperate tree species

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抄録

冷温帯林において、9樹種の落葉分解にともなう窒素動態を18ヶ月にわたって調べ、窒素動態に及ぼす炭水化物の含有量の影響を評価した。窒素の変化パターンは、落葉の積算重量減少に対する窒素濃度の相対的な変化率(NCIR)として評価した。9樹種の落葉の残存重量は指数的に減少し、18ヶ月後には初期重量の2.4〜40.7%となった。指数関数に当てはめたときの傾き(オルソンのk)は、0.74〜2.45/年であった。窒素の残存量は分解にともなって概ね減少したが、落葉重量に対する窒素濃度は一般に、落葉の積算重量減少に対して直線的に増加した(すなわち、NCIRは正の値)。9樹種のNCIRと、落葉の初期炭水化物濃度とのあいだに有意な正の相関関係が認められた。このことは、炭水化物が、分解者菌類が落葉に窒素を保持するための主要なエネルギー源となっていることを示唆している。

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