Southeast Asia in balancing act : Japan's future engagement

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  • 米中の間で揺れる東南アジアの外交と日本の関与
  • ベイチュウ ノ アイダ デ ユレル トウナンアジア ノ ガイコウ ト ニホン ノ カンヨ
  • ベイ ナカノマ デ ユレル トウナン アジア ノ ガイコウ ト ニホン ノ カンヨ

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本稿は、中国への経済的な依存を増す東南アジアの主要国、特に南シナ海の領有権を主張するベトナム、フィリピン、マレーシアなどの国、および地域機構としてのASEANの対米、対中外交姿勢を、当該国の政策当事者の視点から分析する。従来の研究では主に、①近年の東南アジア各国の外交が、親米路線と親中路線のあいだを微妙に「揺れ動いて」いること、②南シナ海における中国の加速する行動に対して地域機構としてのASEANが、現行の国際・地域秩序を力によって変更しようとする中国の行動に対して、2012年以降明確な立場を示せずにきたこと、などが指摘され、その理由についてさまざまな議論が行われてきた。日本の報道ではしばしば、それぞれの国が「親中」であるか「親米」であるかに分類する二元論的な評価も見られる。しかし、地政学的にみれば、東南アジア主要国が外交姿勢を変化させることはきわめて自然である。アジアの中小国は、安定と平和のためには中国と協調するという選択肢しか持ちえない。本稿は、このような制約条件をもつ東南アジアに対し、日本がいかなる対応をとるべきかを提案する。東南アジア諸国に対し、その日和見的な外交戦略を批判したり、ASEANが南シナ海問題に対して一致した姿勢をとることを期待するのは、あまり現実的ではない。日本および米国は、各国に外交政策の転換を迫ったり、ASEANの制度変更を提案するよりもむしろ、東南アジア的な価値を肯定しつつ、より魅力的な支援・協力のパッケージを提供するべきである。もちろん、すべての支援・協力の基盤として、「自由で開かれた、法に基づく国際秩序」の価値を強調することは大前提である。

Journal

  • 社会科学

    社会科学 48 (4), 25-50, 2019-02-28

    Institute for the Study of Humanities & Social Sciences, Doshisha University

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