精神障がい者の人権擁護とケア

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タイトル別名
  • セイシン ショウガイシャ ノ ジンケン ヨウゴ ト ケア

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抄録

精神障害とか、精神疾患という言葉を耳にすると、どのようなイメージを抱くでしょうか?私のイメージは、看護職として勤め始めた30年ほど前と現在では、かなり違ってきています。そして人権擁護に関しては、「看護者には、患者さんを保護する、守る役割がある」と思っていました。しかし、臨床の現場や教育に携わっていく中で、言葉を説明できるだけでなく、「人権擁護とは、精神障がい者の人権を守るとは、どういうことなのだろうか」を常に問いかけながら実践することの大切さを感じています。精神医療の歴史においては、「精神障がい者を保護する」「回という考え方が、精神障がい者の精神科病院への長期収容につながり、自立を妨げてきた側面があります。「保護、守る」ということは、一歩間違えば、患者さんに不利益をもたらします。「精神障害のため社会での生活が困難になった患者さんを保護しなければならない」という役割を担おうとしてきた精神科医療関係者の一所懸命さがパターナリズムをまねき、患者さんが地域で生活する場や力を奪ってきた側面もあるのではないでしょうか。……

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