近世長崎の貿易サポート体制をめぐる考察 : 唐船貨物の運搬・保管を中心に

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  • キンセイ ナガサキ ノ ボウエキ サポート タイセイ オ メグル コウサツ トウセン カモツ ノ ウンパン ホカン オ チュウシン ニ

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抄録

貿易地においては取引の進行に伴い,宿泊・飲食業,倉庫業,運輸業,両替業なども自然に生まれてくると考えられる。これらのサービス業は,政府の貿易政策により,それぞれ異なる様相を呈する。江戸時代の海外貿易は,「鎖国」と表現されているように,閉じられているイメージがある。長い間,長崎は外国商船の来航を幕府が認める唯一の港町であり,そして厳格な貿易統制は敷かれていた。それが地域社会の在り方や都市運営に大きな影響を与えたことは想像に難くない。17世紀,長きにわたる政策調整の結果,長崎会所を軸とした貿易管理体制と,宿町制を中心とした貿易サポート体制が形成された。それに伴って,各種の貿易関係サービス業も変容を遂げていった 。本稿では,唐船(主に中国商人が経営する商船)貨物の運搬と保管を焦点に置き,長崎奉行の裁判記録をはじめ,多様な同時代史料を広く用いることで,近世長崎の貿易サポート体制について考察を行う。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 120 (2), 41-55, 2020-06

    大阪市立大学経済学会

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