日本におけるシンガポール人留学生の多言語混用
書誌事項
- タイトル別名
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- ニホン ニ オケル シンガポールジン リュウガクセイ ノ タゲンゴ コンヨウ
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説明
本稿では、日本に住むシンガポール人留学生同士の談話データを使用して、その多言語混用の実態を分析し、日本語という第二言語が自分たちの言語実践にいかに取り入れられているかを明らかにした。シンガポール人留学生の会話は基本的に英語がベースになっており、そのなかに日本語や中国語などが混用されている。言語混用のパターンも非常に多様であるが、本稿では、発話のなかに混用された日本語に注目し、「語レベルの日本語使用」と「語を超えたレベルの日本語使用」の2つに分けて分析を行った。その結果、語レベルでは、名詞の混用が最も顕著で、日本語の動詞や動名詞に英語の屈折接辞がつく例も見られた。語を超えたレベルでは、主に話題に応じた言語混用、引用、評価、ツッコミ、あいづち.感動詞、修正・限定の6タイプの言語混用が観察された。また、本研究のデータでは、インフォーマントの間で言語混用のパターンに個人差がはっきり出ており、話し相手との親疎関係や、言語混用の個人的な習慣と許容度などの要因と関係していると考えられる。このような結果から、本研究では日本のシンガポール人留学生の多言語混用のあり方が一律的なものではなく、多様であることを指摘した。
収録刊行物
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- 阪大社会言語学研究ノート
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阪大社会言語学研究ノート 17 64-87, 2021-03
大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853650326742272
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- NII論文ID
- 120007039408
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- NII書誌ID
- AA11555159
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- DOI
- 10.18910/81765
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- HANDLE
- 11094/81765
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles