山梨県上野原市能岳におけるニホンアナグマの巣穴環境調査と測位調査

書誌事項

タイトル別名
  • Home range and burrow habitat of Japanese badgers in Mt. No-dake in Uenohara, Yamanashi
  • ヤマナシケン ウエノハラシノウダケ ニ オケル ニホンアナグマ ノ スアナ カンキョウ チョウサ ト ソクイ チョウサ

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抄録

山梨県上野原市能岳(通称八重山)のニホンアナグマを対象に巣穴環境調査とGPS発信機を用いた測位調査を行った。巣穴は11ヶ所発見し、場所、形状、深さ、周辺の植生、糞場の有無を記録した。測位調査はオス2頭とメス1頭について行った。 巣穴のあった場所の植生は広葉樹林が6ヶ所、針葉樹林が5ヶ所で、斜面の向きと深さは、東向きの深い穴が4ヶ所、東向きの浅い穴が2ヶ所、南向きの深い穴が3ヶ所、南向きの浅い穴が2ヶ所で、北向きと西向きの巣穴は無かった。巣穴の形状は、深い土穴が5ヶ所、浅い土穴が3ヶ所、深い木の根元穴が2ヶ所、浅い木の根元穴が1ヶ所であった。深い穴のうち5ヶ所で巣穴から10m以内に糞場を発見した。他の地域と比較すると本調査地では浅い巣穴が少なかったが、巣穴がある環境については他の地域と似通っていた。測位調査の結果、測位点の2点間の最大距離は3個体いずれも400m程度だった。オス同士の測位点は重複しなかったが、オスとメスの測位点は重なった。測位点から示唆される行動圏は他の研究に比べて比較的小さく、餌環境が良好であることが示唆された。

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