書誌事項
- タイトル別名
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- Downstep in Japanese Revisited : Morphology Matters
抄録
日本語には,無アクセント語に後続する語のf0よりアクセントのある語に後続する語のf0が低くなる現象,いわゆるダウンステップがある。統語と音韻のインターフェースの観点から,Selkirk and Tateishi(1991)は,XPの左端が major phrase の左端に写像され,これによりダウンステップがブロックされると主張する。しかし Kubozono(1991)のデータはこの主張に反する。本研究では,従来の研究で特に取り沙汰されていなかったダウンステップにおける品詞の影響を検討した。音声産出実験の結果,品詞が日本語のダウンステップの有無に影響する可能性があることが明らかになった。特に,名詞の連続する句でダウンステップが見られたが,形容詞のイ形が連続する句では見られなかった。先行研究の指摘同様,Selkirk and Tateishi(1991)の一般化には疑問が残る。ダウンステップが阻止される要因は,ある形態を使用するときに生まれる句全体の不自然さであると分析した。また,日本語のダウンステップ研究で形態をコントロールする必要があることが示唆された。
収録刊行物
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- 国立国語研究所論集
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国立国語研究所論集 (21), 15-23, 2021-07
国立国語研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853650461085824
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- NII論文ID
- 120007116740
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- ISSN
- 21861358
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可