昆虫を食べる理由に影響を及ぼす要因 : 構造方程式モデリングによる解析

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タイトル別名
  • Important Factors Affecting Reasons to Eat Insects : An Analysis by Structural Equation Modeling

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説明

昆虫を食べている人たちであっても,食べる理由にはいくつかのタイプがある。そのタイプの違いを捉えるために,吉村・内山・安(2020)は質問票を作成した。本研究では,その調査票を用いて,昆虫を現在も食べている人たち(78名)と,昆虫食に興味をもっているが現在は食べていない人たち(79名)の2群を対象に調査を実施した。調査はGoogle Formを利用し,インターネット上で行った。 得られたデータの分析には,多母集団同時解析による因子分析とパス解析を用いた。パスモデル構成に用いようとした質問群は,(a)昆虫を食べる行為との関係を探る質問群(40問),(b)既存の尺度から抜粋した質問群(12問),(c)EAQ(昆虫食への態度質問票)の日本語訳(10問),それに(d)昆虫を食べる理由を問う質問群(10問)であった。しかし,(b)はKMO指標が低かったため,因子分析は不可能と判断した。多母集団同時解析による因子分析により,(a)からは「未知体験への積極性」「昆虫嫌い」「昆虫食の許容性」「食行動の保守性」の4因子が,(c)からは「嫌悪感」「興味」「動物飼育」の3因子が抽出され,これらは両群で測定不変であることが認められた。昆虫を食べている人たちにのみ質問した(d)からは,「食行動の文化性享受」「社会の持続性への貢献」「変わった趣味をもつ楽しさ」の3因子が抽出された。 (a)から(c)への因果関係を推定するための多母集団同時解析によるパス解析により,(c)に影響を与える(a)の因子が両群で異なっていることが示された(図1)。現在昆虫を食べている人たちのみのパスモデルからは,昆虫を食べる理由の違い(d)に関連する(a)と(c)の因子を捉えることができた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853650525851904
  • NII論文ID
    120007099083
  • NII書誌ID
    AN00226157
  • DOI
    10.15002/00024074
  • HANDLE
    10114/00024074
  • ISSN
    04412486
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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