小野原遺跡群出土のガラス製品

抄録

小野原遺跡群からは、包含層からガラス勾玉 1 点、竪穴住居跡を中心にガラス小玉が計452点と多数のガラス製品が出土した。ガラス勾玉は鉛バリウムガラスを素材とした鋳型製作品である。ガラス小玉は引き伸ばし技法で製作され、青紺色カリガラスを素材とするものが最も多く、淡青色カリガラスのものがそれに次ぎ、黄緑色ソーダ石灰ガラス、淡緑色ソーダ石灰ガラス、青紺色ソーダ石灰ガラスのものが数点みられる。多量のガラス製品が、おそらく北部九州を経由して下扇原遺跡を中心とした小野原遺跡群に搬入されていることは確かであり、使用頻度の高さや組成の相違を考え合わせると、その入手は一回性のものというよりも複数回性のものである可能性が高い。このような状況は、阿蘇谷周辺にみられる青銅器・鉄器の分布の集中と、同様な性格のものとしてとらえうるだろう。

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