Trichilemmal Carcinoma

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Other Title
  • 外毛根鞘癌
  • 外毛根鞘癌 : 特にその病理組織像について
  • ソト モウコン サヤガン : トクニ ソノ ビョウリ ソシキゾウ ニ ツイテ
  • With Special Reference to Its Histopathologic Features
  • ―― 特にその病理組織像について ――

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Abstract

<p>88 歳,男性。病変は左側耳前部の有茎性角化性小結節で,表面は著明な乳頭状変化を示した。臨床診断は角化性乳頭腫とした。病理組織像では病変部は外方増殖性の上皮性腫瘍であったが,下方への浸潤は真皮深層に達していた。腫瘍は分葉構造を示し,各腫瘍小葉は帯状増殖し,蛇行状で,相互に吻合していた。腫瘍小葉は基底膜で被われた状態で,突出するように増殖し,手指の先端のような形態を示した。腫瘍の増殖形態は膨張性増殖であった。腫瘍索を構成する細胞は病変の外側から内側に向けて,外縁細胞,基底細胞様細胞~有棘細胞様細胞,澄明細胞に分けられた。これらの細胞は高度異型性を示した。外縁細胞は柵状配列し,核下空胞化がみられた。有棘細胞様細胞ないし澄明細胞が占める部位では稀に渦巻き構造があった。これは中心部の好酸性角化物質を取り囲むようにして腫瘍細胞は紡錘形に腫大しており,外毛根鞘性角化類似変化とみなされた。各腫瘍小葉が隣接する部位では澄明細胞は微細顆粒状好酸性壊死物質になっていた。稀にこの部位に囊腫がみられた。また稀に腫瘍胞巣内に毛幹を有する毛包があった。PAS 染色ではグリコーゲンが一部の澄明細胞の胞体内で確認された。これらの所見から自験例は外毛根鞘癌と病理組織診断された。外毛根鞘癌は病理組織構造の完成度からみて高分化型有棘細胞癌の一亜型であり,まぎれもない独立した疾患単位である。</p>

Journal

  • Nishi Nihon Hifuka

    Nishi Nihon Hifuka 83 (6), 523-530, 2021-12-01

    Western Division of Japanese Dermatological Association

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