成人T細胞白血病に対する同種造血幹細胞移植後に発症した移植片対宿主病による中枢神経病変の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Central nervous system involvement of graft versus host disease after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for adult T cell leukemia

説明

<p>症例は54歳女性.2015年11月に急性型成人T細胞白血病(adult T cell leukemia,以下ATLと略記)を発症し,翌年3月に同種造血幹細胞移植を受けた.2019年5月に急激に認知機能障害が出現し,頭部MRIで大脳白質病変を認めた.髄液検査では蛋白の上昇を認めた.脳生検ではCD8陽性のT細胞を主体とする炎症細胞が白質へ浸潤していた.肺・腸管の慢性移植片対宿主病(graft versus host disease,以下GVHDと略記)の既往と病理所見から慢性GVHDの中枢神経病変(central nervous system involvement of GVHD,以下CNS-GVHDと略記)と診断した.ステロイドとミコフェノール酸モフェチルによる免疫療法を行い,認知機能障害と髄液所見の改善を得た.本症例はATLにおけるCNS-GVHDの初の報告であり,脳生検による診断の重要性と免疫療法の有効性を示した.</p>

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参考文献 (14)*注記

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