先カンブリア時代の地層に残された“化石”とその解読

書誌事項

タイトル別名
  • DECODING THE TRACE OF LIFE IN THE PRECAMBRIAN STRATA

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説明

<p>生命の初期進化の重要な出来事はすべて先カンブリア時代に起こったといってよい.生命進化を探る上で重要な物証となる先カンブリア時代の化石記録については,その数や質的にも制約が多かった.地球化学的な分析の導入や,保存状態の良い化石が複数見つかる中で,生命の初期進化に関する研究は単純な形の比較を超えた新しい角度からの議論に進みつつある.初期生命進化に対する化石記録からの最新のアプローチを簡単に紹介したい.生命の初期進化に関して注目される重要な出来事は,生命活動の開始,光合成細菌の出現,多細胞動物の出現などである.初期生命の化石記録の研究は19億年前のバクテリア形態に似た化石の記載から始まったが,その後バクテリア状の化石の発見は35億年前にまでさかのぼることになる.さらに地球化学的な手法によって生命活動の評価が議論されるようになってきた.光合成活動を確認することは難しいが,産出する地層の情報から評価する動きが出ている.多細胞動物の出現については,約5億5千万年前ごろから豊富に産出するエディアカラ生物群が有力な化石記録とされてきた.しかし,これが現生の多細胞動物ではないという議論もある.三次元形態保存の良い化石にもとづいてエディアカラ生物群化石がなにものであったのか探る研究が進んでいる.</p>

収録刊行物

  • Viva Origino

    Viva Origino 32 (4), 191-202, 2004

    生命の起原および進化学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853879726796032
  • NII論文ID
    130008145615
  • DOI
    10.50968/vivaorigino.32.4_191
  • ISSN
    13466933
    09104003
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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