微酸性電解水の1週間反復噴霧がヒト皮膚に与える影響

DOI
  • 樋口 幸
    大分県立看護科学大学看護学部
  • 巻野 雄介
    日本赤十字豊田看護大学看護学部
  • 田中 佳子
    大分県立看護科学大学看護学部
  • 大貝 和裕
    金沢大学医薬保健研究域附属AI ホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of repeated spraying of slightly acidic electrolyzed water for one week on human skin: A placebo-controlled, double blind, parallel-group comparative study
  • −二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験−

抄録

2002 年に食品添加物として認可された微酸性電解水は,従来の消毒剤の代替として感染防止対策への活用が期待されているが,ヒトの皮膚への影響の検証は十分ではない.本研究では,微酸性電解水をヒトの皮膚に1日1回1週間使用した場合,蒸留水と比較して有害かどうかを検証した.20~50 歳台の男女20 名を対象に,左右どちらか一方の前腕に微酸性電解水,他方には蒸留水を1日1回噴霧した.介入期間の前後で角質水分量,油分量,経皮水分蒸散量,pH,常在細菌叢の分布,角層バイオマーカーを評価し蒸留水と比較した.その結果,皮膚常在菌数(16S リボソームRNA 数)が蒸留水の使用によって有意に減少していたことをのぞき,すべての調査項目において,微酸性電解水は蒸留水と比較して統計的有意差はなく,有害事象も認められなかった.以上から,微酸性電解水はヒトの皮膚への有害性を認めず,安全にヒトの皮膚に噴霧できる可能性が示唆された. <br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br>  研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→感染予防のために手洗いと消毒が当たり前に行われるようになったが,手荒れの悪化に悩む声を聞く機会も増えた.そこで,食品の衛生管理に広く使用されている微酸性電解水活用の可能性について検討すべく,ヒト皮膚への影響について検証実験を試みた.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 将来,人体や環境に安心・安全な消毒法の1 つとして,感染予防ならびに衛生管理に貢献できる.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→ 使用部位や用途に応じた適正な使用方法や安全性の検証が必要である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853879733476224
  • NII論文ID
    130008149426
  • DOI
    10.24462/jnse.9.0_72
  • ISSN
    24326283
    21884323
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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