地域連携サイバーパス

  • 田中 章慈
    和歌山市医師会,医療法人慈秀会 田中内科医院

書誌事項

タイトル別名
  • Liaison cyber clinical pathway operating system using a web-based cloud computing technology
  • 地域連携サイバーパス : インターネット環境クラウド方式でのクリニカルパス運用について
  • チイキ レンケイ サイバーパス : インターネット カンキョウ クラウド ホウシキ デ ノ クリニカルパス ウンヨウ ニ ツイテ
  • 〜インターネット環境クラウド方式でのクリニカルパス運用について〜

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抄録

<p>目的:良質な地域医療の確保を目的として和歌山市医師会は積極的に地域連携クリニカルパス(以下、連携パス)を推奨してきた。しかし現行の連携パスや診療情報提供書など紙ベースの情報伝達手段は即時性に乏しく不確実とされ、利用は低迷している。そこで連携パスのさらなる普及と、より多くの疾患への対応を期して、インターネット環境クラウド方式での連携パス運用システムを構築した。</p><p>方法:運用概念を込めて地域連携サイバーパス(以下、サイバーパス)と呼称される連携パスは、エクセルファイルとしてクラウドサーバーに収納され、SSL通信方式で暗号化された情報伝達経路を通じてMicrosoft Sharepoint Server 2010というアプリケーションにより専門医、かかりつけ医双方からのアクセスが可能である。単純なファイル交換システムではあるが、アクセス履歴管理や窃視、改ざん予防など厚生労働省ガイドラインに沿ったセキュリティ確保対策が諸所に施されている。</p><p>結語:①院内安全管理対策の観点から電子カルテシステムとは切り離された情報機器によるサイバーパスへの医療情報入力時の手間に課題があるが、医療情報の共有化と伝達の即時性からバリアンス等への対応は有用である。②システムは極めて安価で構築され、維持・継続性、互換性に優れた方法といえる。③サイバーパスの普及は患者の信頼感を醸成し、軽症患者の地域への還元や病院機能改善など地域医療レベルの向上が期待される。</p>

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