東京医療センターにおける残存聴力のある人工内耳手術症例への取り組み

  • 南 修司郎
    国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科 国立病院機構東京医療センター臨床研究センター
  • 竹腰 英樹
    国立病院機構東京医療センター臨床研究センター 東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科
  • 加我 君孝
    国立病院機構東京医療センター臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • 東京医療センターにおける残存聴力のある人工内耳手術症例への取り組み : 第122回日本耳鼻咽喉科学会総会学術セミナー
  • トウキョウ イリョウ センター ニ オケル ザンソン チョウリョク ノ アル ジンコウ ナイジ シュジュツ ショウレイ エ ノ トリクミ : ダイ122カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ ガクジュツ セミナー

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抄録

<p> 人工内耳植込術による蝸牛機能の障害を抑制する手術手技や方法として, ステロイド投与, 正円窓アプローチ, アンダーウォーターテクニック, ゆっくり挿入, の4つが考えられる. 残存聴力活用型人工内耳 (EAS) と CI でのシームレス化に向けて重要なポイントとなる残存聴力を温存する手術手技のレビューを行い, 東京医療センターの残存聴力のある CI 手術症例を後ろ向きに振り返る. 東京医療センターで術前に純音聴力検査を行えた5歳以上の CI 手術症例で, 術耳術前の 125, 250, 500Hz の平均聴力 65dB 未満であったのは, 7%であった. ステロイド投与, 正円窓アプローチ, アンダーウォーター, ゆっくり挿入, の4つ全てのテクニックが用いられた2018年以降の症例では, 78%が complete hearing preservation(HP), 22%が partial HP であり, minimal HP や loss of hearing となった症例はなく, 良好な残存聴力の温存が可能であった. 蝸牛機能は脆弱であり, 術中のちょっとした操作で悪化し得る. 残存聴力温存に良いとされるテクニックは全て利用し, 常に丁寧な手術操作を行い, より確実に残存聴力を温存することにより, EAS と CI のシームレス化を実現することが可能となる.</p>

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参考文献 (11)*注記

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