新人看護師の看護実践能力に関する文献検討

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  • シンジン カンゴシ ノ カンゴ ジッセン ノウリョク ニ カンスル ブンケン ケントウ

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抄録

<p>目的:本研究は、新人看護師の看護実践能力に関する過去10年間の文献から、①看護実践能力の定義、②看護実践能力の測定尺度と構成要素、③新人看護師の看護実践能力の時期的変化を明らかにし、新人看護師の看護実践能力の形成の様態を探究することである。</p><p>方法:医学中央雑誌Web版で2006年~ 2016年に発表された国内文献から、「看護実践能力」をキーワードに原著論文365件を抽出、新人看護師の看護実践能力に焦点を当てた83文献を対象とした。</p><p>結果及び考察:看護実践能力を定義した文献は15件(18 .1%)で、看護実践能力は、看護師が持っている知識や技術、価値・信条、資質などを統合・複合的に用いて、ケアの受け手の状況や文脈の中で受け手のニーズを判断して看護行為を行い、看護の成果を出す力と考えられた。看護実践能力の測定尺度として複数文献で用いられたのは6つあった。看護実践能力を測定していた38文献の尺度から、「看護過程展開能力」「援助的関係を形成する能力」「看護師として自覚と責任ある行動」「クリティカルケア」「組織における役割遂行」「看護管理」「ヘルスプロモーション」「ケアコーディネーション」「地域における看護機能の充実」「継続学習」の10の構成要素が抽出された。</p><p> 新人看護師が4月時点で比較的できると認識したのは、援助的関係を形成する能力、看護師としての自覚と責任ある行動、継続学習で、逆に低いのはクリティカルケアやケアコーディネーションだった。4月時点より3か月後、6か月後まで低下がみられる能力もあった。6か月後に急速に伸びる能力があり、能力形成の時期や速度には違いがあること、継続学習の形成には繰り返しの経験以外の要因も影響することが考えられた。</p>

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