合成開口レーダによる大雪山系における季節的凍土融解に伴う地表面変位量分布

DOI Web Site Web Site 参考文献23件 オープンアクセス
  • 阿部 隆博
    三重大学大学院生物資源学研究科
  • 岩花 剛
    アラスカ大学フェアバンクス校国際北極圏研究センター 北海道大学北極域研究センター
  • 曽根 敏雄
    北海道大学低温科学研究所
  • 内田 昌男
    国立環境研究所地球システム領域

書誌事項

タイトル別名
  • Surface displacement induced by seasonal ground thaw, measured by synthetic aperture radar in the Daisetsu Mountains, Japan
  • ゴウセイ カイコウ レーダ ニ ヨル オオユキ サンケイ ニ オケル キセツテキ トウド ユウカイ ニ トモナウ チヒョウメン ヘンイリョウ ブンプ

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抄録

<p>寒冷地帯の広範囲に分布する永久凍土は,近年の気候変動によって大きな影響を受けている.特に山岳地域に存在する永久凍土の融解は,地面の安定性を変化させうる.永久凍土の融解量は,各年の凍土の季節的な凍結・融解の正味量に関係する.山岳永久凍土の融解速度を明らかにすることは,気候変動適応対策の構築のために重要であり,その監視手法の開発が望まれる.そこで本研究は,国内で最も広く山岳永久凍土が分布すると考えられる大雪山系において,現地測量と合成開口レーダ干渉解析により,凍土の季節的な融解沈降量の検出を試みた.2020年無積雪期の現地測量では,5月下旬から6月下旬にかけて2 cm強の沈降が測定され,その後8月末までの沈降は0.5 cm強であった.干渉解析で得られた沈降分布は,植生のほとんどない風衝砂礫地と概ね一致していた.また,現地測量点における沈降の時間変化は実測変位データと同様の変化傾向を示しており,干渉解析の有効性が確認できた.しかし,干渉解析で検出された5-6月の沈降量は1 cm弱であり,測量結果と比べて過小評価となった.この差異は,現地測量と干渉解析の空間代表性の違いによると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 84 (1), 13-27, 2022-01-15

    公益社団法人 日本雪氷学会

参考文献 (23)*注記

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