岩手県におけるイノシシ<i>Sus scrofa</i>の分布拡大の変遷と出没確率の予測

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タイトル別名
  • Distributional expansion and prediction of probability of appearance of wild boars (<i>Sus scrofa</i>) in Iwate Prefecture, Japan

抄録

<p>岩手県ではイノシシ(Sus scrofa)は明治期に絶滅したが,2007年以降県内各地で目撃されるようになった.岩手県におけるイノシシの出没情報(目撃,被害,捕獲)をまとめ,分布拡大の変遷を明らかにした.さらに,種の分布モデル(Species Distribution Model)を用いて,今後のイノシシの出没確率を予測した.2007年に奥州市で1件目撃された後,2010年まで岩手県内では目撃がなかったが,2011年より県南部を中心に目撃が増え,2018年には全県的に目撃されるようになった.被害は2012年から発生し,2014年から2017年にかけて増加した.この状況から2007年~2010年を移入期,2011年~2017年を拡大期,2018年以降を定着期と呼べるだろう.種の分布モデルによるイノシシの出没確率は標高,植生,土地利用データを組み合わせて用いることで,高い精度で予測することができた.2017年までの出没データを用いて出没確率を予測し,2018年および2019年に実際に出没した地点と比較したところ,予測確率が高い地点ほど実際に出没していることが確認された.今後は,出没確率の高い地域から生息密度が高まり,イノシシが出没するようになることが予測される.</p>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 62 (1), 21-30, 2022

    日本哺乳類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854064991376896
  • NII論文ID
    130008158648
  • DOI
    10.11238/mammalianscience.62.21
  • ISSN
    1881526X
    0385437X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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