救命センターまでの遠距離長時間の転院搬送に難渋した急性心筋梗塞の重症3症例

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タイトル別名
  • Three Cases of ST-Segment Elevation Myocardial Infarction With Difficulties in Long-Distance Transportation to an Emergency Medical Care Center
  • キュウメイ センター マデ ノ エンキョリ チョウジカン ノ テンイン ハンソウ ニ ナンジュウ シタ キュウセイ シンキン コウソク ノ ジュウショウ 3 ショウレイ

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抄録

当院においてST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)と診断し,遠方の緊急経皮冠動脈インターベンション(PCI)実施施設に転院搬送するまでの対応で難渋した3例を提示した。症例1は心原性ショック合併で高用量の昇圧剤の持続調節が必要であった症例。症例2は搬送中に心室性不整脈による心肺停止を繰り返した症例。症例3は高度の肺水腫・低酸素血症を合併し用手的陽圧換気補助が必要であった症例。いずれも90分以上を要する遠距離長時間搬送においては,搬送中死亡もあり得る重症例であった。STEMIの死亡率減少のためには,医療資源に乏しい初期対応施設での困難な状況を理解し,安全な転院搬送も含め地域全体で診療体制を補強していくことが重要である。近隣医療機関や消防機関との相互協力のみならずドクターヘリやドクターカーの運用も含めた広域医療圏での医療連携体制を早急に検討しなければならない。

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