健康フェアを利用した地域住民対象の骨折リスク調査

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  • Investigating Fracture Risk among Locals at a Health Fair

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抄録

高齢者の骨粗鬆症は骨折を誘発し、QOL低下のみならず生命予後をも悪化させる。しかし、実際に治療している患者は、推定患者数よりも圧倒的に少ないと考えられている。骨密度の増減要因には、加齢、性ホルモン、環境要因、遺伝、薬剤などの諸要因の関連が示されている。豊明市薬剤師会では、骨粗鬆症を発症していない未病状態の一般市民を対象に、超音波骨量測定装置ビーナスevoを用いた骨密度測定と服用薬についての聞き取り調査を実施した。参加者は209名、その内訳は女性が182名 (87.1%)、男性が27名 (12.9%)、年齢が70.0 (57.0-76.0)歳であった。骨折予防策の施行率は、女性が53.8%で男性の29.6%よりも高かった。参加者のうち生活指導を行ったのは12人、受診勧奨を行ったのは76人で、併せて参加者全体の42.1%に対して何らかの介入を実施した。判定区分5を従属変数とした場合のリスク因子は高齢、女性の2項目であった。骨梁面積率23.9%未満を従属変数とした場合のリスク因子としては高齢、骨折経験の2項目であったが、Fall related medicineの服薬が影響を及ぼす可能性が示唆された。以上より、健康フェアなどを利用した一般市民対象での骨密度測定と服用薬調査の実施は、骨折リスクの予測を可能とし、受診勧奨や生活指導につながる可能性のあることを示唆した。

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