脾梗塞を合併したcardio-cerebral infarction

  • 西村 朋也
    前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科
  • 小橋 大輔
    前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科
  • 中村 光伸
    前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科
  • 高橋 慶彦
    前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科
  • 丸山 潤
    前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科
  • 佐々木 孝志
    前橋赤十字病院心臓血管内科

書誌事項

タイトル別名
  • Cardio-cerebral infarction with splenic infarction
  • ヒコウソク オ ガッペイ シタ cardio-cerebral infarction

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抄録

<p>脳梗塞と心筋梗塞が同時に発症するcardio-cerebral infarction(CCI)という病態が報告されている。今回CCIに脾梗塞を合併し,血栓による閉塞症が原因と考えられた症例を経験した。患者は50歳代の女性。左半身麻痺を主訴に救急外来に搬送された。頭部MRIで脳梗塞を認めたが,その後徐脈となり,心電図でⅡ・Ⅲ・aVF誘導にST上昇を認めた。冠動脈造影検査で右冠動脈入口部に99%の血栓像を伴う狭窄を認め心筋梗塞と診断したが,検査中に心室細動が出現し除細動で心拍再開を得た。直後に再度右冠動脈を造影すると血栓像は消失し,その後造影CTで脾梗塞を認めた。一連の塞栓症の原因として血栓の飛散が考えられた。 脳梗塞と心筋梗塞が同時に発症した場合は,CCIという病態を念頭に置き,大動脈解離の否定と血栓による複数臓器の塞栓症を除外する目的に造影CTを施行することが必要である。 </p>

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